あじさい
歳を重ねるに連れてだんだんと梅雨の時期が好きになりました
どんより重たい雲も雨の降る音も
ほんのり薄暗い景色も少し心が落ち着きます
あじさいの花が好きで
梅雨時期には沢山のあじさいを見ていました
映画も見たくないし
本も読みたくないし
旅にも行きたくないし
目標や夢も特にないのだけれど
森で暮らしたいと内側からふつふつと
わき上がってきます。
自然の中で畑を耕し
この世界に沢山の花を植えて
邪魔しないように静かに
ひっそり隅っこで暮らしていきたい
ただ
あじさいをみたい
だけになっていました
植物はきれいだなとぼんやり眺めていると
自分の気配が薄くなっていき
それもまた妙に安心します
やりたいことも特にない
結局何もしたくない
そういう時があってもいい
今は自然の中に身を置き
花々の風景をしっかりと目に焼き付けて
どんなに追いかけても追いつけない
今をちゃんと意識して暮らしていきたい
自分の感覚に集中していたい
ぼーとする時間がとても大切で
なるべく言葉をなくしたい
太陽の日差しが痛すぎるので
すこし梅雨のあじさいを思い出して
涼んでいます